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丹野まさよしとがんばり隊

丹野まさよしとがんばり隊

地域防災について:1

平成23年9月議会一般質問・答弁全文

1、地域防災の推進について

丹野議員:14番、丹野政喜です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問

を行います。

 まず、はじめに台風12号の影響により、姉妹都市である和歌山県新宮市が甚大な被害を受

けました。一日も早い復旧を願いつつ、心からお見舞い申し上げます。


 さて、初めに「地域防災の推進について」お尋ねします。

去る、3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の災害をもたらしました。

全国の死亡者・行方不明者は、2万人をこえ、震災により避難や転居を余儀なくされた方は、

8万人を大きく上回っています。


名取市でも、911体のご遺体が収容され、行方不明者76人をあわせると一千名にも届かんとす

る、多くの尊い命が奪われました。

また、全壊した住宅は2,786棟。大規模半壊、一部損壊をあわせると、11,768棟にも及びま

した。

道路・上下水道や公共施設、農業、水産業など、市内の被害総額は700億円以上と、これまで

例のない甚大な被害をこうむりました。

人々は自然の驚異に言葉を失い、瓦礫と化した街を前に、なすすべもなく立ちつくしたのであ

ります。

しかしながら、あれから半年が過ぎ、閖上地区や北釜・下増田地区の瓦礫の撤去や解体作業も

進み、まちの再生に向けて市民は立ち上がろうとしています。

この間、名取市においては、災害対策本部を立ち上げ、市長を先頭に、市職員、自衛隊・警察

等をはじめ関係者の方々と一丸となりながら、対策にあたってこられました。

市民の一人として、そのご努力に感謝するとともに、全国から寄せられた温かな支援に対して

も、この場を借りて心から御礼を申し上げたいと思います。


さて、私は、「今回の震災を教訓とした防災対策を早急に確立すべきという観点から、3点に

ついて伺います。

1点目は「人々の記憶の鮮明なうちに、震災の記録を収集すべきと考えるが、どう取り組むの

か。また、時間の経過とともに災害に対する意識が地域間で広がりつつある。写真パネルや映

像等を活用して、積極的に市民に情報を提供すべき」について、どうお考えか伺います。



市長:震災記録の収集・整理につきましては、今後、組織機構の見直しを行い、専門的な部署

の設置を検討したいと考えております。

 また、議員ご指摘きのように、写真パネル等を活用し市民に情報発信することは、災害時に

おける、自助、共助、の意識を高めていく上で、極めて有効と考えておりますので、防災イベ

ントや防災講話などで推進してまいりたいと考えております。



丹野議員:いま市長から、「今後、専門部署を設置して、震災の記録等の収集にあたりたい」

というふうな前向きのご答弁をいただきました。また、自助、共助という観点からも、市民に

対する啓蒙についても取組んでいきたいとういう話だったと思います。

 震災から半年が過ぎて、新聞各社から写真集であるとか、記録が出ております。一つ紹介し

たいのでありますが、「その時閖上は。」という写真集があります。これは、閖上の小齋さん

という方が、赴任先から閖上に帰宅する途中に震災に遭われ、3月11日から12日までの写真を

撮り続けておられた、その記録であります。この写真集の特徴は、津波の来る前の記録が詳細

にある。しかも、その時々に地域の人との会話であるとか、家族とのやり取りであるとかも詳

細に載っていて、まさに市民が残した貴重な記録だと思っております。こういうものをきちっ

と整理していくというのは大変大事なことだろうと思います。

 それは、この震災で、私たちは何を学んで、そしてどう立ち向かっていったのか。そのこと

を次の時代に伝えていくのは、この震災を経験した私たちの責任であると思うからでありま

す。

 しかし、同時にそのことをいつやるのかということが大変大事だと思っています。特に、写

真集とかの記録は残るのですが、被災された方々の生の言葉、「生死を分けたのは何だったの

だろうかといった」生の証言、また、被災者を支えた側の声、避難所で地域の人々がどう被災

者を支えていったのか。小中学校の教員の方々、地域の自主防災組織の方々、行政の方々とき

ちっと検証することが必要だと考えています。

 確かに、市役所内に専門部署を設置するということも大事だと思いますが、時間がかかりま

すよね。それらの記録を残す一つの方法として、今回の災害にあたって、災害支援に実績のあ

ったNPOやボランティアの方々と連携をして、人々の記録が鮮明なうちに記録を残していく作

業をしていくことが必要と考えますがいかがでしょうか。



市長:今回の震災における対応、市民の方々の対応について、総合的な総括をする必要がある

と考えています。行政は行政なりに災害対策本部での一連の対応についてもしっかりと見直し

をしたうえで、今後に生かしてまいりたいと考えています。また、市民の方々の行動について

も、いろいろな学術研究機関からも申し入れが来ていますので、しっかりとした記録を取って

いきたいと考えています。議員からご提案いただいた発災直後から、いろいろなボランティア

活動をなさっていた皆さんによる、被災者の情報収集なり、聞き取りなりといった活動がどの

程度可能なのか、機会を捉えて調整を図っていたいと考えています。



丹野議員:NPOやボランティアの方々との窓口も検討しながら、調整を図っていきたい、とい

うご答弁であったと思います。

1000年に一遍という今回の災害を通じ、災害時に行政がやるべきこと、行政だけではできな

いこと。があったんだろうと思います。

その行政能力の限界部分を埋めてくれる存在としてのNPOやボランティアの連携は、災害に対

する備えとか準備という点からも必要不可欠であると実感させられた訳です。市長のほうから

のしっかりと総括したいという話もありましたが、この震災を風化させず、次の世代に教訓と

してひきついでいくためにも専門部署を設置するということでありますから、その専門部署と

NPO、ボランティアの方々の連携による取り組みをお願いしたいと考えております。



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